わたし、いま、おかえしができる・・・
学習支援室の活動が終わり、支援室に静かな時間が流れ始めた頃、
来日から5か月ぐらい経つ中学1年生のMちゃんと、勉強について少し込み入った相談をしたいと思い、
支援室に残って勉強していた中学3年生のTちゃんに通訳を頼みました。
「学校ではどんな日本語学習支援を受けているの?」
「部活は何曜日にあるの?」
「土曜日は何時にさぽうと21に来られるかなあ」
思い起こせば通訳してくれているTちゃんも、来日したのは中学1年生の時。今から2年半前。
Mちゃんの傍らで優しく通訳をし、時に自分の経験からアドバイスをするTちゃんは、今や立派な「先輩」です。
中1Mちゃんは、定期試験を前に、大きなプレッシャーを感じている様子。
先輩Tちゃんが「まだ中学1年生だから、そんなに焦らなくて大丈夫だよ」と話してくれた時のMちゃんのほっとした表情に、誰よりこちらがほっとさせられました。
「先輩」のTちゃんの一言一言は、私なんかの百の言葉よりはるかに信頼できるものでしょう。
Tちゃんが、「来て数か月しかたっていないのに、日本語、上手になっていてすごいですね。(私にむかって)私なんか、この頃、まだ全然日本語、できませんでしたよね・・・。(つぶやくように・・・)色々な人にサポートしてもらった・・・。(こうしてMちゃんのために通訳をしたりすることができて)私、今、お返しができる・・・」
朝の9時前から、コーヒー一杯がやっとという忙しい一日でした。でも、この一言で一日の疲れも吹き飛んだ感じです。
「わたし、いま、おかえしができる」
頼もしい15歳が育っています。