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クスクス

2017年02月18日(土)

昨年の11月末に、アフリカでつながった元ボランティアの石川さんと、現ボランティアの田中さんのことをご紹介しました。

 

ヒトからヒトへ・ヒトがヒトを

 

実はその際、石川さんから田中さんにあるアフリカ土産が手渡されました。

 

そのお土産は「クスクス」。お土産のクスクスは西アフリカのクスクスだそうです。西アフリカでは、クスクスは、アワとかひえの雑穀を指し、ふかしてソースと一緒に食べるのが一般的なようです。このクスクス、日本では手に入らないとのこと。

 

その貴重なお土産のクスクスを、田中さんが、以前さぽうと21で出会ったアフリカ出身のAさんに渡してもらえないかとおっしゃってくださいました。

 

今はあまりお目にかかる機会のないAさんなので、彼女のサポートをしている団体の方にそのクスクスを託しました。

そして、1か月余りたって、「やっとAさんにクスクスをお渡しできたので」と、団体の方からご報告を受けました。

 

 

お預かりしたものを見せたとき、 Aさんは、最初は自分が見ているものがわからない様子で、 次に、わかったけれど信じられないという表情をして、 つぶやくように「Oui, je connais ça…(ええ、わかります。)」と言いました。

それから嬉しそうな泣きそうな表情で私を見て、「 どうしてこれを持ってるの?」と聞きました。・・・・・

あのような表情を見たのは初めてだったので、 本当に印象的でした。

おそらく、Aさんに限らず、多くの難民は 昔の思い出を封印して日本で生活しているのだと思います。 それが、懐かしい品物と一緒に思いがけず過去の記憶が蘇り、 あのような反応になったのでしょう。大変喜んでいましたし、私も支援者として改めて感じるものがありました。

 

 

そのご報告を田中さんにお伝えしたところ、「Aさん民族のソウルフードです。日本で一番喜んでいただける方にお渡しできたのなら、よかったです」とお返事をいただきました。

 

「ソウルフード」・・・たくましく日本の社会を生き抜こうとしているAさんと日ごろ接する中では感じることのない、遠いアフリカの大地や魂、深い想いが、彼女の笑顔のはるか後ろに見えた気がしました。

 

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