新着情報

困難を乗り越えたからこそ

2017年02月06日(月)

2月4日は学習支援室学習者、ボランティア等に向けて、「改めて知る「災害の恐ろしさ」 改め学ぶ「防災」」というタイトルで、拡大版ワークショップを実施しました。

 

「外国人は防災のワークショップに参加しようとしない」とか、「どうにかなると思っているようだ」など、外国人の防災についての意識の低さについて色々と言われますが、実はこれは日本人でも外国人でも変わりないのではないかと思ったりします。また、「外国人は助けられる人」ということもなく、まさに「困ったときはお互いさま」という共生の時代が始まっています。

 

そこで、今回のワークショップでは、2011年3月に石巻市雄勝町で被災され、その後をたくましく生き抜いて来られた、高橋真由美さん、阿部秀隆さんに東京までいらしていただき、被災時のお話をしっかりうかがい、自然災害の恐ろしさを改めて知り、その後、災害に備える必要性を防災の専門家から具体的に学べればと、企画を進めました。

 

お忙しい皆さんのご都合が調整できて、実施の運びとなったことは、幸運以外のなにものでもありません。

 

ボランティアの方々からのお声かけもあり、大勢の皆さんがワークショップに参加してくださいました。

 

zentai

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、震災直後から石巻市に移り住み、雄勝診療所医師として勤務する傍ら、被災地支援活動を続けていらした小倉健一郎さんにお話をいただきました。今は雄勝を離れておいでですが、いくつかのイベントを引き続き主催し、そうしたイベントの一つ、「雄勝ウォーク」に、さぽうと21のボランティアが参加したことから、今回、高橋さん、阿部さんにお越しいただける運びとなりました。

ogura_san

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて高橋真由美さん。南三陸観光バスの社長夫人である高橋さんがお話下さった一言一言が心に深く残るものでした。

takahashi_san2

 

 

 

 

 

 

 

 

「普通の日常があることの有難さ」を教えてくださいました。ご主人と従業員の方々、関わる全ての方々と共に、会社を再建された、その陰に、「お母さん」の力の大きさがあったことを、強く感じました。

 

takahashi_san
 

 

 

 

 

 

 

スクリーンに映し出されているのは、あまりにも有名になった「津波で公民館の上に取り残されたバス」です。南三陸観光バスのバスでした。

その当時の写真はホームページでも公開されています。 「バスの力で復興を!

 

 

続いてお話下さったのは阿部秀隆さん。2011年3月に高校1年生だった阿部さんは、今回の講座前日に大学の卒業論文を提出されたとのこと。6年の月日の流れを感じました。

阿部さんは、高台の知人宅に避難した時に、そこまでも津波が迫ってくる映像をお見せ下さいました。会場の皆さんが声を失った瞬間です。阿部さんご家族は、屋根の上に乗っかって家屋と共に流され、その後、小舟に乗り移ることで生き延びたとのこと。

 

abe_san

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高橋さん、阿部さんに向けて、何か申し上げられる言葉などありませんが、お二人とお話をしながら、「家族」や「地域」への愛情をひしひしと感じました。できれば、地震も津波も、誰も経験したくないことですし、今もまだ困難を抱えておいでの方々は大勢いらっしゃいます。

けれど、お二人とも、困難を乗り越えられることで、私達がもちようもない強さや優しさを備えられ、ご経験を発信する使命感をもたれたのだと思います。ただただ頭が下がる思いです。

 

お二人は、その後のNPO法人プラス・アーツの小倉丈佳さんによる「地震ITSUMO講座」もご一緒下さいました。

ogura_san_bosai

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活から切り離すことなく、いかに災害に備えるかということで分かりやすくご説明くださいました。(写真は、レジ袋の活用法についての実演場面)

 

皆さんとは、ワークショップの後に少しお話できる時間がありました。高橋さん、阿部さんが、「日本にいる難民や定住する外国人」について、他人事ではなくお話を聞いてくださり、ありがたく思いました。「困難を経験し、乗り越えた」方が、背景は違えど同じように「困難を経験する方々」に寄せてくださるお気持ちは、とても深いものでした。

 

ご協力に心より感謝申し上げます。

ありがとうございました!

ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

pagetop