「異国日本を生きる私、そして私と家族」登壇者の皆さま
11月13日(日)の11時~17時、文化庁委託事業の「理解を深める講座」の準備が進んでいます。
定住外国人の若者世代、親世代から、「家族」をテーマに発信をしていただきたいと思っています。
ここ数年、あちこちの講座に出向き、「ぜひこの方のお話をより多くの方々にも聞いていただきたい」と思った当事者の方々にご登壇をお願いしました。
ご多忙を極める皆さんにお集まりいただけることとなりました。嬉しい限りです。
ご登壇くださる皆さま、どの方も非常に魅力的な方々です。
■Nguyen Tat Trungさんは、さぽうと21の坪井基金支援生で、最初にお話をうかがったのは、支援生の集いでした。
インドシナ難民第一世代のおじい様がお亡くなりになる前に、孫の彼に向ってお話になったおじい様の「歴史」を話してくださいました。
とても印象的なお話でしたので、昨年の文化庁「理解を深める講座」でもお話をいただきました。
会場にいらしてくださっていた、長くインドシナ難民の支援に関わっておいでの方々が、若い世代の成長ぶりを心から喜んでおいでの様子が印象的でした。
今回は、「家族」というテーマ。
先日、やりとりのメールの中でお母様を評して「幼少期はそれはそれは鬼のような人でした。」とおっしゃっておいででしたが、その言葉に親子の強い絆を感じました。
■景山(かげやま) 宙(ひろし)さんのお話は、多文化共生教育研究会で初めてうかがいました。
小学校1年生で来日、「日本的なもの」と「中国的なもの」の間を行きつ戻りつ成長するご自身を客観的に分析していらっしゃいました。
「高校卒業後の進路選択」の部分で、こんな風に記していらっしゃいます。
「常々両親に良い大学に行くよう言われたが、興味の持てることがなかった。今までの人生は親が決めてきたようなもので、自分で考えて選択したことがなかった。なんとなく海外や中国と関わる仕事がしたいと思ったが、同時に、関わりたくないとも思った。早く自立したい、親の影響から逃れたいと思いつつも、本気で勉強に取り掛かれる気がしなかった。」
■安富祖樹里さんは、横浜市鶴見区で生まれ育った大学4年生のお嬢さんです。
お母様はABC Japanという日系ブラジル人団体の代表をしていらっしゃいます。
先日、同団体主催の講座で、樹里さんが登壇され、ご自身の出生時から今に至るお話をしてくださいました。大学に入ってからブラジルに留学。留学して初めてお母様を理解できたとおっしゃっておいででした。
大学4年生の今、彼女は介護福祉士を目指しているとのこと。
■王雁さんは、大阪府立門真なみはや高等学校の先生です。昨年度の文化庁日本語教育大会で登壇されていました。
お勤めの高校は、「渡日生」への日本語教育のみならず、「母語(継承語)教育」を打ち出す高校です。
http://www.osaka-c.ed.jp/kadomanamihaya/
日本生まれのお嬢さん二人を育てる一方で、ご自身は外国につながる生徒たち家族を教員の立場でみておいでです。
「言葉」のこと、「名前」のこと、「国籍」のこと。
淡々と笑顔で語る王雁さんのお話を聞きながら、もっともっとお話をうかがいたいと感じました。
■田中ネリさんは、ボリビア生まれ、ボリビア育ちの日系2世。留学生として来日され、現在は臨床心理士として、在日ラテンアメリカ人の心理相談に携わっておいでです。
今年、弁護士法人東京パブリック法律事務所「外国人家庭のための支援プロジェクト」が実施した学習会でお話を伺いました。
田中ネリさんご自身も、「ボリビア的なもの」と「日本的なもの」の間で揺れ動き、色々なものを乗り越えていらしたのだと思います。
当日は、田中ネリさんご自身が対応されたカウンセリングの実際の事例をあげながら、お話下さるようにお願いしています。
■野沢慎司さんは、「家族社会学」がご専門の明治学院大学の先生です。さぽうと21のボランティアをして下さっていた方からのご紹介でお目にかかりました。「移動する家族」「国境をこえる家族」にも関心をもってくださっています。
http://soc.meijigakuin.ac.jp/gakka/about/detail/post-8.html
今回の講座は、明治学院大学「内なる国際化」プロジェクトとの共催となりますが、野沢先生に「まとめ役」をお願いできて、ほっとしております。個性豊かな登壇者の方々の発信が、さらに深い学びとなることと思います。
こちらの講座、ご案内は以下。
お申し込みは、以下のメールフォームをご利用ください。
https://docs.google.com/forms/d/1ZSCTgt_hGPilNvSIG-Kw4vm1sV7Pjs-XuMc2ErEP3fE/viewform?edit_requested=true