「受験生チャレンジ支援貸付事業」・・・申請手続きにチャレンジ!
なぜか、今年、さぽうと21学習支援室には大勢の中学3年生が勉強しています。
「中3」・・・はい、受験です。
みんな、もちろん第一志望は都立高校です。
日本生まれの中3も途中来日の中3も、苦しんでいます・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・子供以上に親が・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・親以上にボランティアが・・・。
塾に行く、経済的な負担は、日々の生活に直接に響くものです。
中学2年までは、何とか塾に行かずにがんばっていても、中学3年ともなれば、そうも言っていられません。
自国にいれば、先生がわりなんて苦でもない勉強好き、教え上手の親御さんも多いでしょうが、
日本語で学習支援をしようとすれば、英語が多少対応可能・・・とはいえ英文和訳、和文英訳は無理。
数学も文章題は難しい・・・という前に、計算のプロセスが微妙に異なるので、
小学校レベルでも、口を出せないというのが現実です。
社会・・・理科・・・国語・・・。言わずもがな・・・無理。
改めて、日本の学校に通うって、大変なことだと感じます。
そして、塾に行くにはお金がかかります。
そんな親御さんに朗報。
東京都の事業で、塾代や受験料を無利子で貸付してくれるのです。(上限あり)
しかも、高校に合格したあかつきには、返済が免除になります。
もちろん、経済的に困窮度が高いことなど、様々な要件を満たさなければなりません。
外国人住民も、日本にずっととどまるつもりの永住者、定住者などは、日本人と同じように申請ができます。
ありがたいことです。
しかし・・・・
難しすぎます、日本語が・・・。
いくつかの区の説明を受けに、親御さんとご一緒しましたが、
「お金を借りる」話なので、そうそう簡単にはすみません。それも当然ですが・・・。
説明を聞いて理解するのも、実際に申請をするのも、かなり難易度が高く、
この「受験生チャレンジ支援貸付事業」・・・その申請が、多くの外国人住民の親にとっては「チャレンジ」です。
昨日も申請手続きに同行しましたが、全てが終わった時にはハイタッチしたい気分でした。
そしてその一方で、申請にいらしたご夫婦の姿を目の当たりにして、ちょっとしんみりした気分にもなりました。
書きなれない漢字を、(私が大きく書いた)見本を見て一生懸命にコピーし、
役所の人の難解でクールな説明に一生懸命耳を傾け、
ちょっとした書き間違いを「すみません、すみません」と言いながら訂正し、
最初から最後まで、よくぞそこまでと思うぐらいに平身低頭の姿勢を崩さす・・・
そのご夫婦の様子をずっと近くで見ながら、
このお二人が、来日以来どれだけ多くの困難に直面し、乗り越えていらしたのだろうと、
何も存じ上げはしないその過去の、数え切れないご経験、言うに言えない様々な思いが伝わってくるような気がしました。
もうちょっとでいいから、皆さんが、必要以上に緊張することなく過ごしていける社会にしたいですね。