支援生紹介~アリザ メグミさん~
2022年02月11日(金) 支援生
本日ご紹介するのは、インドネシアにルーツを持つ、アリザ メグミさんです。
アリザさんは大学院での研究の傍ら、さぽうと21の学習支援室で子どもたちの学習の支援にも積極的に関わってくれています。
今日はアリザさんからメッセージをいただきましたので、ご紹介します。
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私は高校時代の研究や野外調査を機に理系研究に興味を持ちました。
卒業後アラビア語を学んでいた時に乾燥地に興味を持ち、乾燥地問題に取り組む研究センターがある鳥取大学農学部に進学しました。所属した研究室は、乾燥地を起源とする植物が悪循環に耐え、有用物質を作出する仕組みを分子レベルで調べ、新しい応用技術を開発することを目指しており、私はコムギの高温ストレス耐性機構解明に取り組みました。
そこで高温ストレスの影響を調べるために細胞膜(生物の細胞と外界との仕切り)に注目し、細胞膜を舞台とした分子細胞生物学をより深く研究したく大学院に進みました。
幼い頃私は父が工場で働いている事が恥ずかしかったのですが、今はトップの技術を持ち信頼される父をとても誇りに思います。
曽祖父は北海道出身で、第2次世界大戦中、インドネシア(尼)の日本軍に日系1世として参加し、尼人女性と結婚しました。彼は薬剤師として日本軍負傷者の手当に奮闘し、戦後は薬局をつくり人々の健康を見守っていました。現地に残り家族を築き上げた心情はどうだったのか、父によると、曽祖父は多くは語らなかったそうです。
大戦や移住など、私達が今日経験したことのない先祖の苦労や多くの犠牲を基に、今の私達日系の自由な生活があり、日本にいる私はそれに恥じない努力や社会への還元をする必要があると感じます。
目の前の事で手一杯になりそうな時もありますが、「なんとかなる」という精神も忘れずにいたいです。そして、生命現象のしくみの解明・疾患の克服に寄与し、新たな知的価値を創出できる国際的リーダーを目指していきたいです。また、今までの自分の経験や学びを生かして、日本とインドネシアとの架け橋を少しずつ伸ばしていければと思います。