新着情報

支援生紹介~山崎 誠さん~

2022年01月14日(金) 支援生

本日ご紹介するのは、中国にルーツを持つ、山崎誠さんです。
博士課程に在籍する山崎さんは、「新薬の開発に携わり、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」という夢に向けて、日々研究に励んでいます。

 

山崎さんからメッセージをいただきましたので、紹介します。

 

「私は中国帰国者 3世で、長野県で育ちました。
幼少時は、国籍が周囲と異なり、経済的に困窮していたことに引け目を感じ、この状況を脱するために一生懸命勉強しました。その甲斐あって、なんとか現在の大学に入学できましたが、奨学金の多くは日本人対象で応募できず、貸与型の奨学金やアルバイトで生活費を賄っていました。

 

転機になったのは3年生の時です。大学の掲示板で「坪井基金」の募集を見つけ、一瞬「私のための奨学金?」と思いましたが、その直後「私と同じように海外にルーツを持つ学生が一定数いるのか」と驚きました。

 

現在は博士課程で生体医用材料の開発に取り組んでいます。

 

これまでの研究は高分子化学、組織工学、計算化学など多岐に渡っており、特に去年は、九州の研究所で全く専門外のバイオセンサの研究をしていました。
私を引き受けてくれた先生は非常に厳しく、私の研究姿勢に対して多くの叱咤激励をして下さり、自身の未熟さを痛感する苦しい毎日が続きました。

 

「君は他の研究者と比べて何の武器があるんだ?」と聞かれましたが、すぐに回答できず、研究者としての自身の強みを深く考える機会となりました。

 

大学へ戻ってから、私の強みは、異なる分野の知識や技術を併せ持ち、中国にルーツがあるという学際的・国際的な側面ではないかと考えるようになりました。

 

自分の出生に悩んだ時期もありましたが、グローバル化の進む世界で、海外にルーツを持つことが大きな強みになると実感しています。

 

その強みを生かすために、博士号取得後は製薬企業で新薬の開発に携わり、人々の健康で豊かな暮らしに貢献したいと考えています。その夢を叶えることで、これまで支えて下さった方々に恩返しし、そして過去の自分と同じ状況で困っている学生に手を差し伸べ、後押しできる存在になりたいと思っています。」

 

 

pagetop