夏期研修会 : 私たちの理解 ⇔ 実践を考える夏
2011年08月20日(土) お知らせ
さぽうと21夏期研修会
さぽうと21は、「自立支援」事業の一環で、困窮のために就学が困難な、難民、中国帰国者、日系定住者などの外国にルーツをもつ高校・専門学校・大学・大学院等に在学している学生(以下 支援生)を経済的に支援しております。
毎年夏に、そうした支援生と、日本人の学生、また社会人ボランティアが相互に交流を深め、学ぶことを目的に、夏期研修会を行っております。
当日の様子については「活動アルバム」をご覧ください。
被災地支援の現場から 私たちの理解 ⇔ 実践を考える夏
3月11日の東日本大震災を機に、難民、中国帰国者や日系人の子弟の学生たちから、日本社会の一員として、自分たちも何かしたい、という声が聞こえるようになりました。
そこで本年の夏期研修会は、『被災地支援の現場から 私たちの理解⇔実践を考える夏』というテーマで、8月13日から15日にかけて、国立オリンピック記念青少年センターにて行いました。
1日目
「今回の震災はどのくらいの規模だったのか」「緊急支援とは具体的に何をするのか」など、震災直後より被災地入りをし、現在も支援活動を続ける認定NPO法人難民を助ける会から、大西清人事務局次長にお話いただきました。
また金属加工会社で働く傍ら、母国カンボジアの孤児院でボランティア活動を行う支援生OBからは、これまで自分が受けた支援に対する感謝の思いを行動にし、祖国や日本社会に還元していくことの大切さを、後輩の学生たちに伝えていただきました。
2日目
まず防災館へ向かい、煙体験や起震車で震度6の揺れを体感する中で、自分たちの日頃の防災対策に対する意識について改めて学びました。
午後からは、土曜日にさぽうと21で日本語やパソコンを学んでいる難民の学習者、ボランティア講師の方々も合流し、約100名で葛西臨海水族館へ行きました。日頃交流のない、外国出身の学生と、その親世代の難民の学習者の方とが共に行動する中で、同じ立場で日本にいながらも、様々な背景を持った方がいるのだということを学びました。
3日目
朝から面談を行い、その間、班ごとに分かれ2日間の振り返り会を行いました。打ち解けあった仲間たちにそれぞれの思いを熱く語っている姿が印象的でした。その後、昼食をとり別れを惜しみつつ帰宅の途につきました。
震災の被害、被災者の様子を、祖国での経験や自身の立場に重ねる学生が多くおり、自ら瓦礫撤去等のボランティアに参加した者も少なくありません。
「困ったときはお互い様」という創設者・相馬雪香の精神にも通じる支援者の皆様からのあたたかなお気持ちが、学生にも確実に受け継がれているのだと実感した本年の夏期研修会でありました。