ロヒンギャの小中学生が学ぶ、オンライン上の教室がスタート!
2022年10月28日(金) 報告
【ロヒンギャの小中学生が学ぶ、オンライン上の教室がスタート!】
「ロヒンギャ」は「世界で最も迫害された少数民族」と言われています。日本にも300人ほどのロヒンギャの方々が暮らしており、その多くが群馬県館林市に集住しています。日本での生活が長くなり、親御さんたちから、その子どもたちの教育に関する相談が寄せられるようになり、当団体としても何かできることがないかとずっと考えてきました。そして、この2月、一般財団法人ファーストリテイリング財団の助成を受けて、「オンラインの学習支援教室」を実施することとなりました。
月曜日は小学1、2年生の学習日。午後4時。「こんにちは~」「わぁ、○○ちゃ~ん」「今日学校で・・・」「先生、髪、切った?」オンライン上のホームルームが今日もにぎやかに始まりました。キャッキャキャッキャとにぎやかな子どもたちの様子を、教室担当者、大学生アシスタント、そして全国各地から参加してくださっているボランティアの方々がにこやかに見守ってくださっています。
ホームルームの時間が終わると、子どもたちはそれぞれ小部屋に分かれて、学習活動に
入ります。その時間は、ボランティアの方が子どもたちの学習を個別にサポートしてくださる時間です。小学1年生も、ボランティアの方に見守られ、がんばって勉強を続けます。1時間あまり集中して学習した後は、またホームルームに戻り、いっしょにクイズをしたり、問題の答えを考えたり、今日の学習を振り返ったりします。そして5時半になると、「ありがとうございました」で前半クラス終了。息つく暇もなく、5時40分には別の小学1年生、2年生が元気にホームルームに登場します。
2022年2月1日、「たてばやしオンライン学習支援教室」がスタートしました。群馬県館林市に暮らす「ロヒンギャ難民二世」を主たる対象とした「オンライン上」の教室です。子どもたちの多くは日本で生まれ、その子たちが学齢期に達し始めた5、6年前から、「子どもたちの教育」は親たちにとっての大きな関心事となりました。
家庭内で子どもの教育に直接かかわる母親たちからの「何とかしたい。何とかならないか」という切実な訴えを聞くたびに、そしてその母親たちが子どもたちの教育にしっかり関われるようにと日本語を懸命に学ぶ姿を見るたびに、当団体としても何かできることはないかと思いながら、なかなか具体的な対応策を講じることができずに数年が過ぎました。
事実施の場所として、館林はやはり遠いこと、また、京と違って地方ではなかなか学習支援者をみつけられないことなどが事業を先に進められない大きな理由でした。
そんな中、コロナ感染拡大により、学習支援室は、これまでの拠点(教室)型の学習支援だけでは参加する子どもたち、大人たちの学びを継続させることができなくなり、オンラインでの学習支援を一挙に前に進める必要に迫られました。窮地に陥ったときにいつも支えてくださるのはボランティアの方々です。
コロナ禍にあっても、ボランティアの方々が、冷静に大きな変化を受け入れ、力を尽くしてくださったことから、オンラインでの学習支援は思いのほか順調にスタートを切りました。
そして、その成果を実感し、「距離」と「支援者不足」が大きな足かせとなっていた館林でも、「オンライン」でなら何とかなるかもしれないと、思い切って「オンラインの学習支援教室」実施に踏み切りました。
今は50名以上の子どもが教室に参加しています。開始から5ヵ月、日本各地から、ときには海外からもボランティアの方々が参加してくださり、子どもたちの学びを懸命に支えてくださっています。課題は山積みですが、子どもたちが「勉強って楽しいな」と感じてくれることを願って、日々の活動を続けていきます。