夏期研修会 ~東日本大震災 被災地支援の一環として~
2012年09月01日(土) お知らせ
さぽうと21夏期研修会
さぽうと21は、「自立支援」事業の一環で、困窮のために就学が困難な、難民、中国帰国者などの外国にルーツをもつ高校・専門学校・大学・大学院等に在学している学生(以下 支援生)を経済的に支援しております。
毎年夏に、そうした支援生と、日本人の学生、また社会人ボランティアが相互に交流を深め、学ぶことを目的に、夏期研修会を行っております。
2012年度 夏期研修会を被災地域である宮城県にて開催
本年度は、日本郵便「平成24年度年賀寄附金」の配分を頂き、8月下旬、難民等の外国出身学生のための夏期研修会を開催しました。
今年度の夏期研修会は宮城県の被災地にて行われ、関東・関西各地に住む高校生から大学院生までの学生や関係者など約70名が参加しました。
震災の傷跡がいまだに残る宮城県内の被災地を訪問し、ボランティア活動(図書寄贈プロジェクト)、被災者の方々との鳴子温泉での交流会、現地で活躍中の方々をパネリストに招いてシンポジウムを実施しました。
当日の様子については「活動アルバム」をご覧ください。
1日目 被災地訪問に関する勉強会
「東日本大震災、私たちは何を学ぶか?地域再生とは?」をテーマに、昨年8月、仙台市内にて被災者の方々をご招待したチャリティ・コンサートでもご協力頂いた松舘忠樹氏に震災後1年半の状況や、被災地訪問の心構えなどをお話いただきました。
2日目 1)図書寄贈プロジェクト
夏期研修会の活動の一環として被災地へ贈る小説、児童書、絵本、趣味の実用書、マンガ、文庫本等の蔵書の提供を呼びかけました。
貴重な書籍約3000冊が集まり、研修会参加者が仕分けをして、以下の施設に寄贈しました。学生は自分たちで組み立てた本棚に寄贈本を並べ、図書コーナーづくりに取り組みました。
◆ 今回本をお届けした宮城県内の施設 ◆
気仙沼 市 | 気仙沼鹿折復幸マルシェ (仮設商店街) |
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山本町 | ささえ愛山元 (高齢者施設) |
女川町 |
女川地域福祉センター |
亘理町 |
WATALIS (手芸工房) |
2日目 2)鳴子温泉交流会
8月27日に宮城県石巻市北上町十三浜字吉浜地区の被災者約20名を鳴子温泉の鳴子ホテルにご招待し、外国出身学生や当会関係者などとの交流会を行いました。
吉浜地区は地震と津波で大きな被害に遭いましたが、遠隔地のため行政などの支援が行きとどかず、約55世帯のうち15世帯のみが壊れたご自宅を修理して、地域に留まっていらっしゃいます。
鳴子温泉は以前から石巻市、南三陸町、女川町などの沿岸部と人の往来があり、震災直後から避難所として奥の被災者を受け入れてきた地域です。
被災後、別々の仮設住宅等にお住まいになっている方々が久しぶりに鳴子温泉で再会し、親しいご友人同士、楽しいひと時を過ごして頂くことができました。
また当会が支援している学生にとっても、日本に定住する上での自らの経験を語る一方、震災の辛い体験を伺って、被災地域の再生や、自分の地域における被災・防災の取り組みについて考えを深める場となりました。
3日目 シンポジウム:「日本の国際化社会を考える集い」
震災直後より県内在住の外国人の支援に心を砕いてきた宮城県国際協会の大村氏「お父さんたちのネットワーク」の世話人として、地域の方々に寄り添った支援活動を続けてきた大垣氏、東北大学国際交流支援室を担当され、罹災した留学生のサポートにも携わってきた末松氏をゲストに迎え、当会の役員の水上監事、山田理事や支援生とともに、震災後目指すべき日本社会のあり方について活発なディスカッションが行われました。
(敬称略)
石垣 政裕 | 東北大学大学院経済学研究科 |
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大村 昌枝 | 宮城県国際化協会 |
末松 和子 | 東北大学大学院経済学研究科 |
水上 洋一郎 | 日韓文化協会顧問 元東京入国管理局長 |
山田 寛 | 元嘉悦大学教授 元読売新聞アメリカ総局長 |
吹浦 忠正 | モデレーター/社会福祉法人さぽうと21 理事長 |
ご支援 ・ ご協力いただいた皆さま
◆ 石垣 英孝 様(宮城県青年会館 理事長)
◆ 沼田 健一 様(岩沼市議会)
◆ 東北大学国際交流支援室
◆ サンキョー株式会社
◆ セガサミーホールディングス株式会社
◆ 学研の有志の皆様
◆ 照井 貴広様(宮脇書店鹿島台店 店長)
◆ 鳴子ホテル
◆ 鳴子国際交流協会
◆ 板垣 幸寿 様(山ふところの宿みやま)
◆ 女川町観光協会
◆ AAR Japan 仙台事務所
(順不同 )